31年ぶりの金利1.25%時代|住宅ローン対策5選

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31年ぶりの金利1.25%時代|住宅ローン対策5選

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31年ぶりの金利1.25%時代|住宅ローン対策5選

はじめに:給料は上がった。なのに、なぜか余裕がない

「今年の春、給料が上がったはずなんだけどな……」

通帳を眺めながら、そうつぶやいた人は少なくないはずです。

2026年の春闘の賃上げ率は5.01%。3年連続で5%を超え、物価を差し引いた実質賃金も7月まで7カ月連続でプラスになりました。数字だけ見れば「ようやく給料が物価に追いついた」年です。

ところが、その同じ年に、もうひとつの数字が静かに上がっています。住宅ローンの金利です。

日銀は2026年9月、政策金利を1.25%に引き上げました。約31年ぶりの高さです。そして10月、大手銀行が相次いで住宅ローンの変動金利を引き上げ、平均は1.3%を超えました。

この記事は、こんな方のために書きました。

  • 数年前に変動金利0.3〜0.6%台で家を買った
  • 金利上昇のニュースは気になるけれど、自分のローン残高や金利を正確には言えない
  • 「固定に替えるべき?」「繰上返済したほうがいい?」と迷ったまま、何もできていない

先に結論をお伝えします。いま慌てて何かを決める必要はありません。でも、「何もしない」でいるのが一番危ない時期に入っています。その理由と、今日からできる対策を5つ、順番にお話しします。


給料アップ分は、金利上昇でどれだけ消えるのか

賃上げ5%でも、手取りの増え方は思ったより小さい

まずは、給料の話から現実を見てみましょう。

月給30万円の人が5%上がると、額面で約1万5,000円のアップです。ここから税金や社会保険料が引かれるので、手取りで増えるのはおおよそ1万1,000〜1万2,000円くらい。

「5%」と聞くと大きく感じますが、毎月の財布に入ってくる金額にすると、実はこれくらいなんです。

金利+0.5%で、月約7,000円が消えていく

次に、住宅ローンの側を見てみます。

ローン残高3,000万円・残り30年、いまの金利が0.8%の家庭を例に計算してみました。

金利毎月の返済額今との差0.8%(今)約93,800円―1.3%(+0.5%)約100,700円約6,900円増1.8%(+1.0%)約107,900円約14,100円増

金利が0.5%上がるだけで、手取りの昇給分の半分以上が消えてしまいます。1%上がれば、昇給分がまるごと消えてもおかしくありません。

「給料が上がったのに余裕がない」というモヤモヤの正体は、ここにあったのです。

30年でみると、利息の差は500万円以上

もっと長い目で見るとどうでしょう。同じ3,000万円・30年を、ずっとその金利のまま返し続けた場合の利息の合計です。

  • 金利0.8%:利息の合計 約375万円
  • 金利1.3%:利息の合計 約625万円
  • 金利1.8%:利息の合計 約885万円

0.8%と1.8%の差は、約510万円。子ども1人の大学4年間の学費に近い金額です。金利の「たった1%」が、人生のお金の計画をひとつ動かしてしまうのです。


ここがアッと驚くポイント:「返済額が変わらない」は安心じゃない

5年ルールと125%ルールのしくみ

「でも、うちは返済額が変わってないよ?」

そう思った方、実はここに大きな落とし穴があります。

変動金利の住宅ローンの多くには、**「5年ルール」と「125%ルール」**というしくみがあります。

  • 5年ルール:金利が上がっても、毎月の返済額は5年間変わらない
  • 125%ルール:5年後に返済額が上がるときも、それまでの1.25倍までに抑えられる

一見、借りている人を守ってくれる、やさしいルールに見えますよね。

返済額は同じでも、「元本の減り方」が激減している

ところが、毎月の返済額が同じでも、その中身は変わっています。

先ほどの例(残高3,000万円・毎月93,800円返済)で、金利が0.8%から1.8%に上がったとしましょう。

金利0.8%のとき金利1.8%になったとき毎月の返済額約93,800円約93,800円(変わらない)うち利息約20,000円約45,000円うち元本約73,800円約48,800円

毎月の返済額は同じなのに、元本の減り方が月2万5,000円も少なくなっているのです。

つまり「返済額が変わらないから大丈夫」と思っている間に、ローンの残高はじわじわと減りにくくなっています。そして5年後、返済額の見直しのタイミングで、まとめて負担がやってきます。

さらに金利が大きく上がって、利息が毎月の返済額を上回ってしまうと、払いきれなかった利息が「未払利息」として残ってしまうこともあります。

変化が「見えない」ことこそが、変動金利の一番のリスクなのです。

もうひとつの意外な変化:住宅ローン控除の「逆ザヤ」が消えた

もうひとつ、知っておいてほしい変化があります。

これまで、「住宅ローン控除があるから、繰上返済はしないほうが得」とよく言われてきました。控除は年末のローン残高の0.7%が戻ってくるしくみなので、金利が0.7%より低ければ、借りたままのほうがお金が増える、いわゆる「逆ザヤ」の状態だったからです。

ところが、変動金利が1.3%前後になった今、金利が控除率の0.7%を上回るケースが一気に増えています。「借りておいたほうが得」という前提が、静かに崩れ始めているのです。


住宅ローン対策5選|今日からできること

ここからは、具体的な対策を5つご紹介します。上から順に、手軽にできるものです。

対策1:まずは「ローン健康診断」で、自分の数字を知る

いちばん大事で、いちばん簡単な対策です。自分のローンの数字を4つだけ確認してください。

  1. 今の適用金利(何%?)
  2. ローン残高(あといくら?)
  3. 残りの返済期間(あと何年?)
  4. 5年ルール・125%ルールがあるかどうか

銀行のアプリやネットバンキング、毎年届く「残高証明書」で確認できます。所要時間は10分ほどです。

実は、住宅金融支援機構の2026年1月の調査でも、変動金利のリスクについて「理解が不十分」「不安がある」と答えた人は4〜5割にのぼっています。知らないまま不安でいるより、数字を知って安心するほうが、ずっと楽になります。

対策2:「+1%シミュレーション」で、耐えられるか試してみる

数字がわかったら、次は「もし金利が1%上がったら?」を計算してみましょう。銀行のサイトにある返済シミュレーターを使えば、すぐに出せます。

判断の目安はシンプルです。

  • 月1万円以上増えても、家計はなんとか回る → あわてなくて大丈夫。対策3〜4を検討
  • 月1万円増えたら、正直きつい → 対策5(固定への切り替え)も含めて真剣に検討

ポイントは、「今の家計」ではなく「5年後の家計」で考えること。子どもの進学や車の買い替えなど、これからの出費も一緒に思い浮かべてみてください。

対策3:昇給分は「なかったこと」にして先取りする

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい考え方です。

給料が上がった分は、生活費に溶かさない。

昇給で増えた手取り1万円を、最初から「金利上昇対策の口座」に自動で移してしまうのです。給料日に自動で振り替える「先取り」の設定にしておけば、意志の力はいりません。

金利が上がらなければ、そのお金は貯金として残ります。金利が上がったら、増えた返済にあてればいい。どちらに転んでも損をしない、いちばん手堅い守り方です。

架空の事例:Aさん一家(夫婦共働き・子ども2人)の場合 夫の昇給で手取りが月1万2,000円増えたAさん。これまでなら外食や習い事で自然に消えていたお金でした。今年からは給料日に「金利対策口座」へ自動で振り替えることに。1年で約14万円がたまり、「金利のニュースを見ても、前ほどドキッとしなくなった」と話しています。

対策4:繰上返済は「期間短縮型」で、ためたお金の一部をあてる

ためたお金がある程度になったら、繰上返済も選択肢に入ります。

先ほどの例(残高3,000万円・金利1.3%・残り30年)で、100万円を「期間短縮型」で繰上返済すると、利息が約47万円減り、返済期間が1年以上短くなります。

ただし、手元のお金を全部入れてしまうのはNGです。

  • 生活費の6カ月分は、必ず手元に残す
  • 教育費など、使う予定が決まっているお金には手をつけない
  • 新NISAで積み立てている分は、無理に止めない

「守りのお金」を確保したうえで、余った分を繰上返済にあてる。この順番を守れば、家計がぐらつくことはありません。

対策5:固定金利への切り替え・借り換えは「差額」と「諸費用」で判断する

最後は、いちばん大きな決断です。

いまメガバンクの10年固定は約3.8%、フラット35は約3.5%。変動金利との差は2ポイント以上あり、過去最大の開きになっています。

先ほどの例で計算すると、

  • 変動0.8%のまま:月約93,800円
  • 固定3.8%に切り替え:月約139,800円

毎月4万6,000円の増額です。「安心を買う」にしては、かなり高い保険料ですよね。

つまり今は、「不安だから、とりあえず固定に」と動くと、かえって家計を苦しめてしまう可能性が高い時期です。固定への切り替えや借り換えは、次のような人に向いています。

  • 対策2の+1%シミュレーションで「家計が回らない」とわかった人
  • ローン残高が多く、返済期間が長く残っている人
  • 金利のことを考えること自体が、大きなストレスになっている人

借り換えには事務手数料や登記費用などで数十万円〜100万円前後かかることもあります。「毎月の差額」と「かかる諸費用」を並べて、元が取れるかどうかを必ず確認してから決めましょう。


すぐ動くべき人・様子を見ていい人の見分け方

ここまで読んで、「結局うちはどうすればいいの?」と思った方のために、ざっくりと分けてみます。

今すぐ動くべき人

  • 自分の金利や残高を、今この場で答えられない
  • 返済額が月1万円増えたら、家計が赤字になる
  • 手元の貯金が生活費の3カ月分より少ない

落ち着いて様子を見ていい人

  • 数字を把握していて、+1%シミュレーションでも家計が回る
  • 昇給分を先取りでためる仕組みができている
  • 生活費の6カ月分以上の貯金がある

大切なのは、「様子を見る」と「放っておく」は違うということです。数字を知ったうえで様子を見るのは、立派な戦略です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 日銀の利上げは、住宅ローンの返済にいつ反映されますか?

多くの銀行では、変動金利の見直しは年2回(4月と10月)です。さらに5年ルールがある場合、毎月の返済額はすぐには変わりません。ただし返済額が同じでも、利息の割合が増えて元本の減りが遅くなるので、影響は見えないところで始まっています。

Q2. 変動金利から固定金利に今すぐ替えるべきですか?

一概には言えません。今は変動と固定の差が2ポイント以上と過去最大で、固定に替えると毎月の返済額が大きく増えるケースが多いです。まずは「金利が1%上がっても家計が回るか」を試算し、回らない場合に固定への切り替えを検討するのがおすすめです。

Q3. 繰上返済と新NISA、どちらを優先すべきですか?

まず生活費の6カ月分を確保することが先です。そのうえで、ローン金利が低いうちは新NISAを続け、金利が上がってきたら余ったお金の一部を繰上返済にあてる、という「両方少しずつ」が現実的です。住宅ローン控除の控除率(0.7%)をローン金利が上回っている場合は、繰上返済の効果が大きくなります。

Q4. 5年ルールがあれば、金利が上がっても安心ですか?

安心とは言い切れません。返済額が変わらない間も、利息が増えた分だけ元本の減りが遅くなります。5年後の見直しで返済額が最大1.25倍に上がることもあるので、今のうちに備えておくことが大切です。


今週やること:3ステップ

最後に、この記事を読み終えたら、今週中にやってほしいことを3つだけ。

  1. 銀行アプリを開いて、金利・残高・残り期間・5年ルールの有無を確認する(10分)
  2. 返済シミュレーターで「金利+1%」を計算し、家計が回るかをチェックする(10分)
  3. 給料日の自動振替で「金利対策口座」への先取りを設定する(10分)

合計30分です。コーヒー1杯を飲む間に、将来の数百万円を守る準備ができます。

31年ぶりの金利上昇と聞くと、つい身構えてしまいますよね。でも、金利が上がる時代は、裏を返せば給料も上がっていく時代です。大事なのは、上がった給料を「なんとなく」使ってしまわないこと。

家は、家族が毎日帰ってくる場所です。その場所を、不安ではなく安心の象徴にしておくために。まずは今夜、銀行アプリを開くところから始めてみてください。

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