転職で年収109万円増を家族の資産に変える3ステップ

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転職で年収109万円増を家族の資産に変える3ステップ

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転職で年収109万円増を家族の資産に変える3ステップ

「年収100万円アップ、決まりました!」

内定の連絡を受けた日の夜、家族で少しいいお寿司を食べに行った。そんな経験がある方、あるいはこれからその日を迎える方も多いと思います。本当におめでとうございます。転職活動は、仕事をしながら面接の準備をして、家族にも気をつかって……と、心も体もすり減る大仕事ですから。

でも、ここでひとつ聞かせてください。

その「増えた年収」、1年後にどこへ行っているか、イメージできていますか?

実は、年収が上がったのに貯金がほとんど増えない、という人は少なくありません。この記事では、転職で手に入れた年収アップを**「家族の資産」にきちんと変えるための3ステップ**を、最新のデータと具体的な数字で紹介します。


年収アップ転職は、思っているより「貴重な成果」

まずは、あなたが手にした成果の大きさを知っておきましょう。

転職で年収が上がった人の平均アップ額は約109万円です。35〜39歳では約131万円、エンジニアなどのIT職では約132万円と、さらに大きくなっています。

ところが、年収が上がらなかった人も含めて、転職した人全体で平均を取ると、年収の増加は約19万円にとどまります。30代に限っても約32万円です。

つまり、100万円以上の年収アップは、転職した人の中でも「うまくいった側」の結果なのです。

ここで視点を変えてみてください。この貴重な成果は、何もしなければ生活費の中に静かに溶けて、消えていきます。 せっかく勝ち取った100万円を、家族の未来に残すか、なんとなく使ってしまうか。分かれ道は、転職した直後の数か月にあります。


なぜ「年収が上がったのに貯金が増えない」のか

年収アップ後に貯金が増えない原因は、大きく3つあります。

原因1:手取りは年収アップ額ほど増えない

年収が109万円上がっても、その全額が口座に入るわけではありません。社会保険料、所得税、住民税が差し引かれるからです。

たとえば年収550万円から659万円に上がった会社員なら、手取りの増加はおよそ75万円前後、月にすると6万円台です。「100万円増えた!」と思って使い始めると、計算が合わなくなります。

原因2:住民税は「1年遅れて」やってくる

ここが意外な落とし穴です。住民税は前の年の所得をもとに計算され、翌年の6月から天引きされます。

そのため、転職した1年目は「思ったより手取りが多いぞ」と感じます。ところが翌年の6月、住民税が上がって手取りが急に減るのです。1年目に生活レベルを上げてしまうと、2年目に苦しくなります。

原因3:生活レベルが先に上がってしまう

収入が増えると、人は自然と出費を増やします。少し広い部屋、ワンランク上の外食、買い替えた車。一つひとつは小さくても、積み重なると年収アップ分を簡単に食いつぶしてしまいます。

【架空のケース】Bさん一家(夫34歳・妻32歳・長男2歳) 夫がWeb系企業へ転職し、年収が540万円から650万円にアップ。うれしくて、家賃が月2万円高い部屋に引っ越し、週末の外食も増えました。1年目はなんとか回っていましたが、翌年の6月に住民税が上がると、毎月の家計が赤字に。気づけば、年収アップ前より貯金のペースが落ちていました。

Bさんは決して浪費家ではありません。ただ「仕組み」がなかっただけです。ここからは、その仕組みのつくり方を3つのステップで紹介します。


ステップ1:手取りの増加額を知り、使う前に「先取り」する

最初にやるべきことは、手取りが本当はいくら増えるのかを知り、そのお金を使う前に投資へ回す設定をすることです。

「本当の増加額」を計算する

内定通知書や新しい会社の給与明細を見ながら、次の3つを確認しましょう。

  • 月の手取りがいくら増えたか(前職の明細と比べる)
  • ボーナスの支給条件(入社1年目は満額出ないことがよくある)
  • 翌年6月の住民税の増加分(年収アップ額のおよそ1割を目安に見込んでおく)

ざっくり言うと、年収アップ額の約7割が手取りの増加、さらにそのうち約1割分は翌年の住民税で消える、と考えておくと安全です。

増加分の「8割」を自動で先取りする

手取りの増加額がわかったら、最初の給料が入る前に自動積立を設定します。

おすすめは、増えた手取りの8割を先取りし、残り2割を「家族のごほうび」にする配分です。全額を投資に回すと息が詰まって長続きしません。ちょっとした楽しみがあるからこそ、仕組みは続きます。

今日のアクション:前職と新しい会社の給与明細(または内定通知書)を並べて、月の手取りの増加額を書き出しましょう。


ステップ2:退職前後30日で「お金の引き継ぎ」を終わらせる

転職でいちばんお金を失いやすいのは、年収交渉ではなく、退職の前後に手続きを「放置」することです。

仕事の引き継ぎは完璧なのに、お金の引き継ぎは後回し。そんな人がとても多いのです。

企業型DCは6か月以内に移す

前の会社で企業型DC(企業型確定拠出年金)に入っていた場合、退職した翌月から6か月以内に、転職先の企業型DCかiDeCoへ資産を移す必要があります。

この手続きをしないと、資産は自動的に国民年金基金連合会へ移されます。これが**「自動移換」**です。

  • 運用が止まり、お金は現金のまま増えない
  • 管理の手数料が毎月引かれていく
  • 60歳から受け取るための加入期間に数えられない

この自動移換になっている人は約138万人、放置された資産は約3,300億円にのぼります。転職した人の多くが、知らないうちにこの状態になっているのです。

iDeCoに入っている人は勤務先の変更届を出す

すでにiDeCoに入っている人は、転職したら勤務先の変更届を出す必要があります。新しい会社に企業年金があるかどうかで、掛けられる金額も変わります。

さらに、2026年12月からiDeCoの掛金の上限が上がります。 企業年金のない会社員の場合、月2.3万円から月6.2万円へと大きく増えます。転職と制度改正のタイミングが重なる今は、掛金を見直す絶好のチャンスです。

退職前後のチェックリスト

  • [ ] 前職の企業型DCの有無と残高を確認した
  • [ ] 移換先(転職先の企業型DCまたはiDeCo)を決めた
  • [ ] iDeCo加入者なら勤務先の変更届を出した
  • [ ] 退職日と入社日の間に空白期間がある場合、健康保険と年金の手続きを確認した
  • [ ] 生活費の3〜6か月分の預金が手元にある

今日のアクション:前の会社の企業型DCの書類や加入者サイトを探して、資産が今どこにあるかを確認しましょう。


ステップ3:家族の目的ごとに「3つの箱」へ分ける

増えたお金は、目的ごとに「箱」を分けると、迷わず貯まっていきます。

おすすめは、次の3つの箱です。

箱 目的 使う制度 生活防衛の箱 もしもの時の生活費(3〜6か月分) 普通預金 家族の夢の箱 教育費・住宅資金(10〜15年後) 新NISA 老後の箱 60歳以降の生活費 iDeCo・企業型DC

月6万円の増加分なら、こう分ける

手取りが月6万円増えた場合の配分例です。

  • 新NISA(教育費・住宅資金):月3万円
  • iDeCo(老後資金):月2万円
  • 家族のごほうび:月1万円

年4%で運用できた場合、新NISAの月3万円は15年後に約738万円になります。子ども1人を幼稚園から大学まですべて公立で通わせる教育費は約820万円と言われているので、その大部分をまかなえる計算です。

iDeCoの月2万円は、25年続けると約1,028万円。 掛金は所得から差し引かれるので、年収が上がった人ほど節税の効果も大きくなります。

年収アップ分の月5万円だけで、教育費と老後資金の両方に、それぞれ数百万〜1,000万円規模の備えができるのです。

共働きなら「2人分の枠」を使う

新NISAの非課税枠は1人あたり年360万円・生涯1,800万円で、夫婦それぞれに枠があります。iDeCoも夫婦それぞれが加入できます。

共働きの家庭なら、収入の高い側がiDeCoで節税を、もう一方がNISAで教育費を、というように役割を分けるのもひとつの方法です。

さらに、18歳未満でもNISAのつみたて投資枠が使えるようになる見込みです(年60万円・総額600万円まで)。子どもの名義で教育費を準備する選択肢も増えていくので、今後の動きにも注目しておきましょう。

今日のアクション:家族で「3つの箱」それぞれの目標額を決めて、紙に書き出しましょう。


よくある質問(FAQ)

Q1. 年収が100万円上がると、手取りはいくら増えますか?

年収や家族構成によって違いますが、おおよそ年収アップ額の7割前後が手取りの増加になります。年収550万円から659万円に上がった場合、手取りの増加はおよそ75万円前後、月にすると6万円台が目安です。

Q2. 転職して年収が上がったのに、翌年手取りが減ったのはなぜですか?

住民税が前の年の所得をもとに計算され、翌年の6月から天引きされるためです。転職1年目は前職の年収をもとにした住民税なので、2年目に住民税が上がって手取りが減ったように感じます。

Q3. 転職したら企業型DCはどうすればいいですか?

退職した翌月から6か月以内に、転職先の企業型DCかiDeCoへ資産を移す手続きをしましょう。手続きしないと「自動移換」になり、運用が止まって手数料だけが引かれていきます。

Q4. 年収アップ分はどれくらい投資に回すべきですか?

手取りの増加分の8割を先取りで投資に回し、残りの2割を家族の楽しみに使う配分がおすすめです。全額を投資に回すと長続きしにくいため、無理のない割合で自動積立を設定しましょう。

Q5. 教育費はNISAとiDeCo、どちらで準備すればいいですか?

教育費は新NISAで準備するのが基本です。iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、教育費には向いていません。iDeCoは老後資金の準備に使いましょう。


年収アップは「ゴール」ではなく「スタート」

転職で年収が上がった瞬間は、ゴールのように感じるかもしれません。でも本当は、家族の資産づくりのスタートラインです。

あらためて、3つのステップをおさらいしましょう。

  1. 手取りの増加額を知り、使う前に8割を先取りする
  2. 退職前後30日で、企業型DC・iDeCoのお金の引き継ぎを終わらせる
  3. 増えたお金を「生活防衛・家族の夢・老後」の3つの箱に分ける

どれも、一度設定してしまえば、あとは自動で動いてくれるものばかりです。

まずは今夜、給与明細を2枚並べて、手取りがいくら増えたかを家族と一緒に確認してみてください。 その数字が、10年後、15年後の家族の安心に変わっていきます。

転職を決めたあなたの勇気が、家族の未来の資産になる。そんな使い方を、ぜひ今日から始めましょう。

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